日本最北端を走るモノレールに乗って考えた

漫画とかアニメとか不思議とかサブカル全般とか色々

今、ペス山ポピー氏がヤヴァイ

特別お題「わたしの推し

 

昨年の夏頃から、見知っていはいたのです。

ペス山ポピーという漫画家の名前を。

と、いうのはニュースキュレーションアプリを見ていると、話題になった漫画を特集しているwebサイトの情報とか流れてきてましたので。

特に、この方の作品はトランスとかジェンダーとかそちらの方のエッセイ漫画だったので、東洋経済オンラインとか文春オンラインとか、「今」を伝えるweb型オンライン雑誌で結構記事になっていて、漫画自体も数ページ載っていたりしたので、それを「記事」として読んではいました。

そうして、知ってはいましたが、作品全体は読んだことありません出した。

2021年も押し迫ったある日、なにかお正月に読む本をkindleで探すかなあ、という軽い気持ちで

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を購入したのです。少し安くなってたし。

そして・・・大衝撃を受けました、面白くて。

 

一発でフリークになってしまい、数日後には前著も購入してしまいました。

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正直、こちらの方を先に読むべきだと思いましたよ。

で、正月を待たずしてあっという間に読んでしまったので、この作者の作品をもっと読みたい!という口渇にも似た感情が湧き上がりました。

残念ながら商業出版はまだこの2つしかないようなので、それならばと、作者の人となりを知りたい!と思いネットを弄りはじめました。

去年(2021年)の夏頃から特にweb媒体にものすごく取り上げられているので、見つけるのは至極簡単で、色々記事を読むことができました。

そうして、インタビューからwebラジオに至るまで、全部とは言わないまでも読んだり聞いたりしているうちに、作品中に描かれていなかった出来事が結構あることにも気が付きました。

ここでは、上記漫画に補足する形のエピソードを、主としてご本人のインタビューをもとに抜き出してみました。



題してペス山ポピーappendixです

 

※これ以降、作品を読んでいない方にはまったく意味のわからない内容でありますのでご注意ください。また、これから読もうと思っている方にはネタバレになる可能性にもなりますので、こちらもご注意ください。

 

 

 

 

 

1.性癖について

www.cyzowoman.com

――オナニーを覚えたのは、いつですか?

ペス山ポピー(以下、ペス山) だいぶ早くて、それが“オナニーである”と気づいたのは中1くらいでした。オカズにしていたのは、自分が某ゲームの主人公にぼこぼこにされる妄想です。3~4歳頃からネタにしていたけど、はっきりと「わたし、ヤバくない?」と自覚したのも、中1くらいです。それまでは、「自分が殴られているところを想像すると、股間のあたりがムズムズするなあ」くらいの認識でしたが、はっきりと「オナネタだ」と認識した瞬間、「わたし、ヤバイ人じゃん」と。

「実録 ボコられて初めて恋に落ちました」の冒頭、いきなり幼少時の自慰行為の激白というので度肝を抜かれましたが、これって、すごく共感できるところがあって、自分も幼い頃布団の角に股間を擦りつけるのが好きで、それがやばいことだとわからず、親に嬉々として報告してからやっていました。
今考えると冷や汗モノです。

同じく前掲インタビューより

ペス山 そうですね。妄想の中に女性が入ってくると、なぜか違和感があるんですよ。でも、レズっ気もあって。もしかしてバイセクシャルなのかもしれません。女性のストッキングの脚も、じーっと見ちゃったりするんです。恋愛対象ではないけど、性的対象ではあるというか。

――女性の脚のフェチAVは、M男の性癖にマッチしがちですが、ペス山さんはオカズにしますか?

ペス山 持ってます! ヌケちゃうんですよね! 暴力系ゲイAVの方が、7:3くらいで好きなんですけど。これはものすごく失礼な言い方ですが、暴力AVは“高級フレンチ”で、女性のフェチAVは“ファストフード”といいますか……。てっとり早くヌキたいときは女性モノというか……ああ、ごめんなさい! 心の底から興奮したいときは暴力AVを見て、「今日は良かったなあ」と終え、女性の方は「終わった終わった! すっきり! さあ寝よう!」という感じでしょうか。

 

作品中では男性よりのトランスということでしたが、女性もイケると。

2.ご両親について

ペス山さんの著作で、ご両親にも興味がでてきたので。

www.s-ss-s.com
より


──ちゃんと、そういうふうに思えたのは大きいですよね。『女の体』を読んでいると、ペス山さんとお母さんとの関係も気になりました。

ペス山 母とのエピソードに関しては、実はすっぽり忘れていた記憶があって。私はわりと記憶力はいいほうなんですけど、つい最近母から「覚えているか」と訊かれて全然覚えていない出来事があったんですよ。私は小学校6年生まではクラスでも体が大きいほうだったし、まだ自分は男の体になると信じて疑わなかったので、好きな格好をしていたんです。それでWWEジョン・シナというプロレスラーに憧れて、ラッパーみたいなぶかぶかのジャージにデニムのハーフパンツという、かなりルーズな格好をしていました。そんなある日、東京に母と二人で映画を観に行くという時に、さすがにこれを着てくれ、と母が花柄の服を着せようとしたんです。私は泣いて嫌がったらしくて。けれど母もカーッとする性格なので、こんなだらしない格好をするぐらいだったら、お前とはもう外に出られない! と怒って。私は泣く泣く折れて花柄の服を着て、着たから連れて行ってくれと頼んだらしいのですが、母は出かける予定をキャンセルして花柄の服もゴミ箱に捨てて。その出来事が母の記憶の中では鮮明に残っているらしいのですが、私には一切記憶がなくて。

 


──お母さん自身が、女であることに葛藤があったからこそ、余計に強い物言いになることも多かったんでしょうね。

ペス山 そう、実は最近、母にカミングアウトされたんですよ。「私、Aセクシャルだと思う」って。もともと違和感はあったけれど、最近のLGBTQ関連の記事を色々見て調べていたら、自分はおそらくAセクシャルだと。

──ああ、だから自分に興味のないお父さんが良くて結婚したわけですね。

ペス山 そうなんです。父もギターとお酒にしか興味のない人で、携帯の待ち受け画面も男性のギタリストの写真だったりするので。
──でも、お母さんもそういう違和感があって葛藤していたからこそ、例えばペス山さんがスカートを穿くことをやめても、悲しそうにはしても受け入れてくれたわけですよね。

どこかで見た気がするんですけどお父さん、ミュージャンのようですね。

 

Aセクシャルとは

eleminist.com

アセクシャル(エイセクシュアル)とは、他者に対して性的欲求を抱かないセクシャリティを意味する。日本では無性愛者と呼ばれることもある。




kuragebunch.com



いつまで公開されているかわかりませんが、ボコ恋の番外編にお母さんとの会話が描かれています。

更に、これは引用できないのですが

実話BUNKAタブー2月号「吉田豪がえぐるペス山ポピーの正体」の中で
母親と祖母の確執や、かなり個性的なおばあさんの性格が語られています。

母親と祖母(嫁、姑ではなくて実の母娘とのこと)の確執は現在進行形で続いているそうです。


このインタビューだけが読みたくて、買ってしまいました(^o^)

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18歳以上しか読んではいけない本を初めて買いました(^o^)
キレイな女性の裸体が所々にありました。ドキドキでした。


ところで、このインタビューのサブタイトル

「宇垣美里、星野源、佐久間宣行など一流文化人から絶賛される漫画家

(下線筆者)
と、あるんですが、この雑誌って権威とかタブーとかそういうものに阿らない編集方針だと思うのですが(第一特集が公明党批判ですもの)
これって皮肉なのでしょうか。

お母さんについては更に

wezz-y.com

 

ーペス山さんは怒りを表に出して戦う人ですよね。小学生の頃に幼なじみにスカートめくりをされて、「私の人格と体が他人の楽しみのために勝手に使われた」と激怒する場面があります。性被害に限らず、あらゆるハラスメントの本質をうまく言語化していて、読んでいる人に戦うための言葉を与えてくれる力があります。一方、これは本人にとってはとても大変なことだとも思いました。

 怒るって本当に体力を使うことで。ただ、私は割とみんなにどう見られようと怒るタイプなんです。これは母の影響が大きいと思います。小さい頃は周りの大人が他人に怒る姿を見ていない人が多いと思うんですが、私の母は怒る人なんですよ。

ー作中でも、お茶くみを拒否したり、ペス山さんの生理が始まったことを「オンナになってきて」と言う近所のお母さんに怒りを燃やしたり。

 母が通っていた自動車教習所の教官に、女性に対して威圧的な人がいたんですが、それにブチ切れて通路上で「お前とはやってられねえ。知らないから通ってきてるんだろ!」って出てきちゃったことがあるんです。そういうのを見ているから、怒ることに対するハードルは下がりますよね。

 


このお母さん、自分の母親の行動と全く同じです。
自分の母親も教習所で教官の言動に腹を立てて、所長室に怒鳴り込んで辞めたという過去がありました。


3.セクハラ(女(じぶん)の体をゆるすまで)

audee.jp
20:56頃より

セクハラを受けていたちょうど同じ時期にある男性漫画家と知り合って、その方に大変助けられた、精神的に。(著者聞き書き)


これは作品の方にはまったく出ていないので、この頃大変だっただけではなくて、ああ、男性にもそういう方がいらっしゃったんだなぁ、と、個人的に(余計なお世話ですけど)大変安堵いたしました。


4.天使ちゃんの正体ついて

最後に、これが今回一番衝撃を受けたところで、このブログを書こうと思い立った理由の一つなのですが。

kuragebunch.com

漫画「実録 泣くまでボコられて初めて恋に落ちました」の天使ちゃんとの別れのシーン。本書の白眉、感動の場面なんですが、肝心の天使ちゃんの人となりが実際こうだったんだ、と知って愕然としてしまいました。

正直知りたくなかった。




nlab.itmedia.co.jp

 

このインタビューでも

それからがらっと考えが変わったきっかけは、『実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。(以下、ボコ恋)』で描いた、ある男の人と付き合った経験です。その人と付き合ったときは、「ああ両思いなんだ」と思って幸せだったんですよ、一瞬は。でもその相手から、めちゃくちゃ差別されました(※)。それで初めて「あ、好きな相手でも差別するんだ」と思った。

※#MeToo……2017年、映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインのハラスメントが被害者によって告発されたことをきっかけに、SNS上で起きた性被害の告発を行うムーヴメント。#MeToo運動自体は2006年ごろから存在するが、大きく波及したのが2017年であった。 ※差別された……『実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。』番外編参照。

――ああ……。

ペス山:「私を好きだと言った人に、なんでこんなこと言われなきゃいけないんだろう」と思って、セクハラを受けた時以上にびっくりしました。意味がわからなかった。

 

完璧な人間なんていやしない、初めて恋した人ならなおさら。美しい思い出としてお別れをした・・・

漫画のストーリー上、ああいう形にするのがベストだったと思うのですが・・・

でも…それでも

 

 

そりゃないよ、天使ちゃん。

5.最後に

 

この漫画、他のエッセイ漫画と違うところは、ポピー氏がかなりの画力を持たれていて、洒脱に描いているところと、力をいれて描いているところの落差が大きいところです。

「実録 ボコられて初めて恋に落ちました」のボコられるシーンなど見ると、ほんとに上手だなあ、と思います。
高校の時美術部だったそうですが、遺憾なく発揮されていると思います。(上から目線ですけど)

 

余談ですが、今回調べてみて、ペス山ポピー氏が去年からわずかの間に受けられているインタビューの数に驚きました。

これ以外にも自分が見つけられていないものも沢山ありそうです。


女性誌で写真がのっているというのがあるそうなんですが、買っておりません。

(twitter情報)

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ジェンダーとかセクハラとか、今マスコミが飛びつきそうな要素が多いとはいえ、こんなにマスコミに取り上げられ過ぎてこの方が疲弊しないか、他人事ながら心配になりました。

もうあとはタモリ倶楽部に出るくらいしかないのでは(^o^)(もちろん冗談ですが)


高校時代はファンタジーを描いておられたようなので、、是非そういうものも読んでみたいです。

 

以上、わたしの推し でございました。